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誣告の伝兵衛

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.28≫

伝兵衛が逮捕され、はや2ヶ月が経った。 伝兵衛が来なくなっても、図書館の自習室には、次から次へとおバカさん達がやってくる。 現在のヘビーユーザー達を紹介しよう。 まずは、あの野郎。典型的なおバカさん。猪突猛進タイプ。恥ずかしくもなく、図書館に…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.27≫

お~~~~~~~い。 お~~ら~~だぁ~~。 おらだ。伝兵衛だ。 この前よ。 馬鹿な中学生のメコが来やがったんだ。 3人連れの阿婆擦れだ。 ず~としゃべってやがる。 もう本当にず~としゃべってやがる。 あらぁ、とんでもない大馬鹿メコ野郎達だ。 また…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.26≫

おい。 おらだ。 伝兵衛だ。 久しぶりのぶりぶりだな。 いやぁ、このまえよ。 あの野郎をからかってやったらよ。 とんでもねぇことになっちまったんだよなぁ。 それは、こういうことだったんだい。 あの野郎が14:30頃によ自習室から帰りやがったんだ。 だか…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.25≫

おいおい、例の、ずーとこがずに押してやがる、自転車に乗って移動するキョリ、永遠のゼロ男がよ。 あの細い目の、性欲を全て小説の読書にぶつけるあの男よ。 だから、最近、味噌煮込みうどんのスープみたいな色のトレーナーを買って、毎日そればっかり着て…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.24≫

おっ。おらだ。 伝兵衛だ。 いやぁ、なんだあらぁ。 この込み合った自習室で、おらの左横1席しか空いてないところに。 馬鹿みたく日焼けをした、馬鹿みたいな坊主頭で、馬鹿みたく細い目で、母親からろくなものしか食わせてもらってねぇみてぇな馬鹿みたく細…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.23≫

おらだ。 すんげぇ久しぶりだな。 おら、悔しいことがあったぞ。 こんな悔しいことが世の中にあるのか。 くぅぬぅ~。 くぅそぉいぃ~。 おら、図書館の副館長に叱られたんだ。 おらの図書館内での汚しをはじめとする所業がばれたんだよ、この野郎。 おらの…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.22≫

おらだ。 おい。 おら、自習室で勉強していたら、頭がくらくらしちまってよ。 気持ち悪くなったんだい。 でもよ、おらの席で勉強せずに机に突っ伏して休むのは、おらのプライドが許さねぇんだ。 だからよ。 おら、トイレに駆け込んだんだ。 猫は死に目を見せ…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.21≫

おらだ。 いやぁ、最近、例の、偽物の「THE NORTH FACE」水色ダウンジャケットをいつも着やがり、グラサンをかけた、いつもニヤケたスケベ顔のどす黒い日焼け親父が、「THE NANIKUWANU(何食わぬ) FACE」で毎日1階の職員の方と何やら話してやがる。 その親…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.20≫

おらだ。 あの野郎、まだ来やがるぞ。 おら、また、あの野郎を脅かす手段を発明したぞ。 それは、よ。 あの野郎がトイレ休憩をするのは、たいてい、30分おきだ。 でもよ、ジャスト30分とは限らねんだ。 そういう時はよ、おら、わざと席を立って、自習室を3メ…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.19≫

おらだ。 あの野郎、今日も来てやがる。 よし。 今日も、あの野郎を脅かしてやっぞ。 まずは、これだ。 いつものように、自習室のドアを思いっきり開けてやるぞ。 すごい音がするんだ。 どや。 これで、ビックリするだろう。 あの野郎、どうだ、この野郎。 …

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.18≫

おいおい、例の、ずーとこがずに押してやがる、自転車に乗って移動するキョリ、永遠のゼロ男がよ。 今日は、なんと、自習室に入ってきやがったぞ。 初めて入ってきやがった。 前回同様その野郎の友達に頼んで、おらの席から一席空けて、その友達に座らせてよ…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.17≫

おかしいな。 おらがこんなに誣告しているのに、警察は何をやっているんだ。 よし、今日も誣告だ。 まずは一人目。 例の、風邪ひき背伸び君。 今日は、15秒おきではなく、2秒ラップを上げ13秒おきに背伸びを繰り返しながら、右横のあの野郎を監視する。 背伸…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.16≫

あの野郎、前までは足を組んで勉強してやがったのに。 今では、普通にしてやがる。 どういうこった。 足を組んで勉強してやがることを、誣告してやったのに。 あの野郎が足を組まずに勉強していることがばれたら、おらがオオカミ少年みてぇじゃねーか。 誣告…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.15≫

あの野郎。 全く。まだ来やがるぞ。 よし。誣告だ。 例のように。 駆け付けた刑事たち。 まずは、あの野郎が閉館時間に出てくるのを、図書館前のバス停に張り込んでいた、口を尖らせた約160cmの短髪色黒の男が、あの野郎が通る道を先回りするような形で、さ…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.14≫

おっす。 おら、悟空。 おいおい。 嘘だよ(笑) おらだ。 伝兵衛だ。 ドラゴンボールの悟空がよ。 なんか、一人称を「おら」って言ってやがるけどよ。 おらも、おらって言うんだよなぁ。 勝手に使わねぇでほしいよな。 いやいや。 おらの横によ。 4日間連続…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.13≫

おいおい。 おらが調べさせた情報によるとよ。 その野郎、あの野郎を尾行するつもりなんだとよ。 今日なんか、あの野郎が閉館後タバコを吸っていると、あの野郎が帰るまでじっくり図書館玄関前の雪垣のところに隠れてやがるんだとよ。 あの野郎はタバコ3本吸…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.12≫

おらなんだけどよ。 なんだかしんねぇけどよ。 あの野郎のほかに、おらを脅かす存在が急浮上してきたぞ。 その野郎はよ。 毎日、絶対自転車に乗らず、ひたすら愛車の自転車を押し続けながら、12時にやって来てよ。 おらのソファーに座ってやがるんだよ。 な…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.11≫

でんべい、でんべえ、でんべいだ。 でんべい、でんべい、でんべいだ。 ほら、伝兵衛だ。 やー、あの野郎、しつけえな。この野郎。 今日も、おら、挑発してやったぞ。 まずは、これだ。 いつもは、15:00に帰るが、きょうは、16:00までいてやったぞ。 あの野郎…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.10≫

あの野郎のターン。 思えば、あの野郎も大変だ。 馬鹿な爺さん、1階喫茶店の関係者、図書館職員、市役所職員に、目をつけられて。 図書館でただ単に勉強をしているだけなのに。 ある司書は、こういった。 「お前が一番不審者なのに、不審者と思われているこ…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.9≫

でんでんでででん。 でんでででん。 でんべえ、伝兵衛だ。 おら、図書館で勉強していると、ストレスたまるな。 今までの人生で、初めてのことをやっているからな。 だから、ストレスを解消するために、図書館のラウンジのテーブル、トイレなどを、汚してやる…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.8≫

昔から馬肉と鹿肉が大好物な、おらだ。ででんべ、伝兵衛だ。 あの野郎、まだ来やがる。 しつこい野郎だ。 もういっちょ、市役所職員に通報だ。誣告だ。 伝兵衛の度重なる誣告に、なんか面白くなってきた市役所職員。 自習室前の廊下で、伝兵衛とあの野郎を馬…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.7≫

ほ~ら、伝兵衛だぞ。 あの野郎、やっぱり来やがるな。 おら、今日は、爆弾を仕掛けてやるぞ。 それはな、こういうからくりだ。 おら、いつも帰り支度を始めるのは、15:00だ。 その時間の30分前、だから、14:30に、帰り支度を始める。 そのとき、あの野郎が…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.6≫

おらだ。伝兵衛だ。 あの野郎、まだ来やがる。 しつこい野郎だ。 もういっちょ、警察に通報だ。誣告だ。 伝兵衛の度重なる誣告に、なんか面白くなってきた警察。 伝兵衛による誣告に真に受けたふりをして、張り込みを開始する。 閉館1時間前、あの野郎の座っ…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.5≫

よっ。久しぶりだな。おらだ。伝兵衛だ。 おら、今年はセンター試験は受け控えだ。 だってよ。自信ねぇからな。 それに、そもそも、センターの過去問自体をやったことねぇもんな。 センターの過去問は、おらの敵だ。 過去問は、やっぱ過去だけあって、やだな…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.4≫

おいおい。 あいつ、いまだに来てやがるじゃねぇか。 何にもおらの事恐れていないじゃねぇか。 隣の資料室に、いやがる。 あの野郎。 そうだ。 警察に、通報してやれ。 あいつがおらのことを追い回して来ると。 翌日。 伝兵衛の通報を真に受けた、いや、真に…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.3≫

どうも。最近、アギーレ監督にクリソツと言われているとか言われていないとかでおなじみの、おらだ。 最近あいつが挨拶してきやがる。 この前、あいつが「おはようございます。今日も降ってますね。」ときやがる。 おらは、当然無視する。 そしたら、「私は…

誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.1≫

おらは毎日図書館に通う。 外せない日課。 誣告の伝兵衛。 おらは、そう呼ばれている。 気に入らないやつは、誣告する。 誣告とは、刑法第172条の虚偽告訴罪における捜査機関への虚偽告訴のことではなく、図書館に置いてある意見箱に真偽のほどをろくに確…