誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.23≫

おらだ。

すんげぇ久しぶりだな。

おら、悔しいことがあったぞ。

こんな悔しいことが世の中にあるのか。

くぅぬぅ~。

くぅそぉいぃ~。

おら、図書館の副館長に叱られたんだ。

おらの図書館内での汚しをはじめとする所業がばれたんだよ、この野郎。

おらの汚し。

それはよ。

何度か言っているけどよ、おら、昼飯休憩のとき、2階のラウンジのテーブルで家から持ってきた飯を食らうんだ。

そして、喰い終わったらよ、テーブルを汚してやることに決めているんだけどよ。

そのことで、今日よ、図書館の副館長に叱られたんだ。

 

ある日伝兵衛はいつものように自習室で勉強をしていると、図書館の副館長を名乗る男性に、声をかけられる。

副館長 「お勉強中、すみません。事務所内で、少しお話しさせていただいてもよろしいでしょうか。」

伝兵衛 「なっ、なんだ。何事だ、おい。」

副館長 「私は、こちらの図書館の副館長をしているものです。他にもお勉強されておられる利用者の方がいらっしゃいますので、ここではお話しすることはできません。ですので、私と一緒に事務所までいらしていただけませんか。」

伝兵衛 「おっ、お、おぅ。」

・・・・・・

伝兵衛が自習室を出て、図書館内の事務所に行くと、さきほどの副館長ともう一人の男性職員が、待ち構えていた。

館長  「御足労していただきまして、申し訳ございません。」

伝兵衛 「おめえたち。なんだ、おらに話って。」