誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.25≫
おいおい、例の、ずーとこがずに押してやがる、自転車に乗って移動するキョリ、永遠のゼロ男がよ。
あの細い目の、性欲を全て小説の読書にぶつけるあの男よ。
だから、最近、味噌煮込みうどんのスープみたいな色のトレーナーを買って、毎日そればっかり着てくる、あの男よ。
なんでも、聞いた話によると、夕方まで寝て、起きた後、図書館にやってきて、自習室に入るんだとよ。
図書館を最後に出たやつが最強なんだと、周囲に得意げに話しているんだとよ。
だから、図書館内にいるどんな奴よりも、最後に出ようと、図書館内のいたるところに、閉館時間のギリギリまで、隠れてやがるんだとよ。
こいつの母親から金で聞き出した、ある日の一日はこうだとよ。
運動会のリレー競争の時に流れる曲で起きた後、寝起き後間髪入れず一目散にお気に入りのトレーナーと薄青色のジーパンに着替え、18:10に自習室にやってきて、他の勉強している奴に対して自分が勉強家であるふりをするために、お気に入りの小説と1冊のノートをリュックからおもむろに取り出す。
そのお気に入りの小説は、