小説・新連載1

 姐ぽん、此度の戦、まさに波乱でございましたな。

 

うむ。

 

 姉ぽんに於かれましては、至極残念の極みでございました。

 

そうよのう。弟ぽん。

 

 姐ぽんは、これからどのような戦略を立てるおつもりか。

 

うむ。まずは、我が同志である銅鑼富戸連盟一同が今一度結束を図ることからであろうな。此度の戦で、我が銅鑼富戸連盟は思うほどの戦果を挙げることができなんだ。よし、傘連判状を作成しようぞ。

 

 おお、それはよきお考えでございまする。姐ぽんの属する銅鑼富戸連盟は、此度の戦で、曹達水殿お一人だけしか武功を立てることができませんでしたからな。

 

 殿ぉ~、大変でございまする。

 

 何事だ。殿の御前であるぞ。無礼者が。

 

 はっ。癒麒麟殿が、文砲春による夜襲により、深手を負ったとのことでございます。

 

 姐ぽん、いかがいたしましょうか。

 

焦るでない。遊麒麟殿は、我が師匠だ。あれほどのお方が、これしきの事で簡単に潰れるようなお方ではない。むしろ、この戦国時代に於いて、覇道よりも王道がいかに重要であるかが世界に認識されるいいきっかけとなろう。それよりも、この事件を聞いて、小躍りした者がおる。誰か。

 

 櫻酒殿

 

うむ。では、頭を抱えた者がおる。誰か。

 

 三四子御歩例誌四殿。坊主殿。牛乳加美優紀殿 

  

うむ。さぁ、これから如何致すかの。弟ぽん。

 

 姐ぽん殿、遊麒麟殿の所属する英恵美位48手の内部ではどのような空気であるかを知りとうござる。そこで、盟友華夜北子殿に至急連絡を、そして、英恵美位48手内部と絵濡自慰手慰48手内部、三四子御歩例誌四殿と坊主殿周辺に間者を送るべきかと。

 

うむ。直ちに実行せよ。

 

 はは。

 

 姐ぽん、話が途中でございました。来年に向けての戦略につきまして、さらにどのような御考えかお聞かせしてだきたく候。

 

うむ。我が恵濡恵夢美位48手軍は、吾が5代目の総大将となったが、まだまだ一枚岩ではない。むしろ、一枚岩ではないからこそ、吾が総大将となり得たとも云えよう。

吾が此の群雄割拠の世を御太として眺めていた頃、発足したばかりの我が恵濡恵夢美位48手は顎姉殿、牛乳殿が弐枚看板として求心力が保たれており、見事な統率がとられておった。

しかしながら、唖慰怒流性は加齢とともに色褪せる。加えて、顎姉殿が昨年から48手會の世捨て人となることをお考え始め、牛乳殿が昨年文砲春の急襲により深手を負いそれが災いして昨年の大戦で敗れた。また、序列3位であった七舌殿が昨年世捨て人となられる決心をされ、今年世を捨てられた。

これは、吾の推測にすぎぬが。おそらく、来年の大戦後、顎姉殿は世捨て人となろう。そうなると、我が恵濡恵夢美位48手軍は、総崩れの危機を迎える。

そこでだ。

我が恵濡恵夢美位48手には、顎姉殿が世捨て人となられるその日までに、いかに体制を整えるかに全身全霊をかけていくことが求められておる。

顎姉がいなくなった恵濡恵夢美位48手はどんなものか。

これを創造する力、これこそが今の所属武将にかけておるものだ。

そのためには、今一度、我が恵濡恵夢美位所属の武将たちが一致結束することが必要である。