誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.27≫

お~~~~~~~い。

 

 

 

お~~ら~~だぁ~~。

 

おらだ。伝兵衛だ。

この前よ。

馬鹿な中学生のメコが来やがったんだ。

3人連れの阿婆擦れだ。

ず~としゃべってやがる。

もう本当にず~としゃべってやがる。

あらぁ、とんでもない大馬鹿メコ野郎達だ。

また、汗臭ぇんだ。

本当に臭ぇ。

一回家に帰ってから、シャワーを浴びて来やがれ。

この糞メコ野郎。

学校指定の田舎ジャージを然も当然ってな具合で着て来やがる。

一人は、こ汚いスニーカーを脱いでやがる。

ちびまる子みてぇな顔のこのメコは、2分おきに立って、他の2人のメコのところに行って何やら話しかけやがる。

その際、毎回、脱いでやがるスニーカーを履き、床につま先をどんどんと大きな音を立てて、半ばよろけながら、履きやがる。

知性のかけらも無ぇな。

この糞メコ野郎。

他の2人は、福笑いを何とか完成させたような顔のショートカットのメコと、ポパイみてぇな顔をしたボブの太っているメコ。

そして、この福笑いメコも行儀が悪い悪い。

右足を立膝ついて勉強してやがるんだから。

まるで、カチコミ前のチンピラど三一だ。

お里が知れるってなもんだ。

自分で稼いだ金ではなく、母親に買ってもらった下着を着てやがるくそ間抜けなメコ野郎達め。

さっそく、この一連の失礼なふるまいを、おめえたちの中学校に誣告してやったからな。

おめえたちの明日のホームルーム、楽しみだな。

このメコ野郎。

来年の公立高校の受験が不安でしょうがねぇんだな。

だから、図書館の自習室で仲良く勉強もしないで乳繰り合ってるんだなぁ。

 

伝兵衛、許してやりなさい。

大目に見てやりなさいよ。

子供のやることですよ。

いいですね。