すっとこ太郎のすっとこ日記2
(どこからともなくお囃子が流れてくる)
♪とんとんすっとん♪すっとんとん♪
♪すっとこどっこい♪すっとんとん♪
♪てんてんすってん♪すってんてん♪
♪すってんころりん♪すってんてん♪
♪今日もほいこら聞こえてくるぞ♪
♪ひょっとこどっこい♪ひょっとんとん♪
♪ひょっとこどっこい♪ひょっとんとん♪
へっ。今日も宝でも拾ってくっか。へっ。
あっ。あの野郎、先に来て拾ってやがる。
まーた、かまってやっか。
(説明しよう。宝とは、廃品置き場に放り捨てられている廃品のことである。)
(続けて説明しよう。すっとこにとって、三人称はいつでも誰に対しても「あの野郎」なのだ。)
すっとこ「おーい。なんか掘り出し物でもあっか。」
あの野郎「(あっ。またか。)いやぁ、なかなかなぁ。」
すっとこ「なかなかなぁってったって。いっぱい拾ってやがるじゃねぇか。ええぇ?」
あの野郎「(あいかわらずだ。)」
すっとこ「おっ、行っちまうのか?」
あの野郎「・・・」
すっとこ「へっ。へっへっへっ。ざまぁねぇな。」
こ汚い廃品置き場で、高らかに響くすっとこの笑い声。
これで、孫もいるというのだから。
全くけしからん。
共生。
そう。生きるとは、共生していくことなのだ。