僕は星矢。≪新連載。小説≫

僕は星矢。≪ヴぉるⅫ≫(新作小説)

僕は星矢。 嘘つき星矢。 僕は星矢。 ピノキオ星矢。 僕は軽やかに生きる。 僕が学校に行けば。友達みんなが僕に話しかけてくる。 僕は友達の心を操る天才だ。 僕がちょっと弱みを見せれば簡単に僕になびいてくる。 人生ってちょろいよ。 ちょろいもんだよ。…

僕は星矢。≪ヴぉるⅪ≫(新作小説)

僕は星矢。 僕は毎日図書館に行く。 僕はあの男が毎日閉館時間まで自習室にいるのが。気に食わない。 死ねばいいのにだよ。本当に。 だから。僕は。図書館の職員に。あの男の悪口を言ったよ。 あの男が毎日自習室にいるから。僕ら高校生が迷惑しているってね…

僕は星矢。≪ヴぉるⅩ≫(新作小説)

僕は星矢。 あれぇ~。 どうして? 自分が計画していた通りに勉強が全然できないよ。 おかしいよ。僕がやると決めた勉強のはずなんだよ。どうして? 今日も。土曜日で学校が昼に終わったので。一目散に図書館に行って勉強していたのに。 すぐ眠たくなって。…

僕は星矢。≪ヴぉる10≫(新作小説)

僕は星矢。 毎日学校帰りに図書館の自習室に行く。毎日だよ。毎日。えっへん星矢。 学校が15時30分に終わるから。一目散に図書館にめがけてチャリをぶっ飛ばすんだ。 そして。15時40分に図書館に着いて。自習室に行って。あの男が居て。あの男を睨んで。あの…

僕は星矢。≪ヴぉる8≫(新作小説)

僕は星矢。 8月までに予定通り。学校指定のシグマベストを。ルーズリーズに写し終えた。 よし。9月からは。数学の共通テストの過去問だ。 教学社とかいうなんだかわかんないけど。でも有名そうな出版社から出ている赤本をゲットしているんだ。ママに買ってて…

僕は星矢。≪ヴぉる7≫(新作小説)

僕は星矢。 僕は北海学園大学の経済学部に行くんだ。 10月にはオープンキャンパスがある。 僕は頑張るんだ。 でも。あの男が気になる。 何なんだ。この気持ちは。 よし。俺の友達を使ってあの男の隣の席に座らせて様子をうかがうとしよう。 僕は友達を使うの…

僕は星矢。≪ヴぉる6≫(新作小説)

朝から晩までそいつを観察してみた。 そしたら驚いた。 友達が言うように。ほんとにず~と勉強している。 どうなってんの? でも同時に。脳天を撃ち抜かれた感覚。がした。 そうか。僕に欠如していたのは勉強をするということだったんだ。 だから僕は。進学…

僕は星矢。≪ヴぉるⅤ≫

僕は星矢。 この夏を。図書館での数学の勉強に捧げることを決めたのは。 ある男の噂を聞いたから。 僕の友達の話では。その男は毎日図書館にいるという。 で。なんでもずーと勉強しているという。 それで。そいつをからかってやるぐらいの。そんな軽い気持ち…

僕は星矢。≪ヴぉるⅣ≫

僕は星矢。 僕はこの夏から図書館に通う。 学校の夏休みを数学のために捧ぐ。 数学と言っても。薄ぺっらい問題集。学校指定のシグマベストっていうんだ。 これをルーズリーズに丸写しする。 これがこの夏の目標。 どんなもんだい。えっへん。 図書館の開館時…

僕は星矢。≪ヴぉるⅢ≫

僕は星矢。 ホモ星矢。 僕は普通の高校生。 西滝高校3年生。 令和2年入学の受験生。 僕は星矢。 ホモ星矢。 僕を「コロナ世代」という奴。 うるせいや。

僕は星矢。≪ヴぉるⅡ≫

僕は星矢。 ホモ星矢。 ゲイではなくホモ星矢。 ゲイと言われるのはなんか嫌。 マジな感じがなんか嫌。 だから。ゲイという奴。うるせいや。 椅子に座っている同級生の。男子を後ろから抱きしめて。その子の髪の匂いをクンクンする。そんな瞬間好きすぎる。 …

僕は星矢。≪ヴぉるⅠ≫

えっ。僕の名前? 僕の名前は。ばめんせいや。 漢字で書くと「馬面星矢」。 でも。顔は馬面じゃない。 どちらかと言えば。目が細い。だから僕は狐に似ている。 それに。清い心の持ち主だから。嫁入り前の白狐だ。 ふぅ~。 この夏。僕は数学に目覚めた。 そ…