僕は星矢。≪ヴぉるⅫ≫(新作小説)

僕は星矢。

 

嘘つき星矢。

 

僕は星矢。

 

ピノキオ星矢。

 

僕は軽やかに生きる。

 

僕が学校に行けば。友達みんなが僕に話しかけてくる。

 

僕は友達の心を操る天才だ。

 

僕がちょっと弱みを見せれば簡単に僕になびいてくる。

 

人生ってちょろいよ。

 

ちょろいもんだよ。

 

あの男に関するあることない事。作り話をしてやったら。

 

まぁ。引っかかること引っかかること。

 

特に。眉毛が海苔のように馬鹿みたく太い。80年代のハンサム顔の。僕が心の中で「海苔弁野郎」と呼んでいる。馬鹿な友達がしょっちゅう。僕が図書館で勉強しているのに。僕にうざく話しかけてくるので。あの男のウソ話をしてやったら。僕の言うことを真に受けて。あの男の家を突き止めるために尾行するとか言い出したよ。

 

全く馬鹿なやつだよ。僕は何も手を汚さなくても。勝手に僕の云う通りに動く。

 

僕は高みの見物さ。共通テストも近いってのに。せいぜいあの男にばれて殺されればいいのさ。馬鹿な海苔弁芋野郎君。あの男は狂気を秘めているから。何をされるかわかんないよ。あの男は勘が鋭そうだからね。