僕は星矢。≪ヴぉる10≫(新作小説)

僕は星矢。

 

毎日学校帰りに図書館の自習室に行く。毎日だよ。毎日。えっへん星矢。

 

学校が15時30分に終わるから。一目散に図書館にめがけてチャリをぶっ飛ばすんだ。

 

そして。15時40分に図書館に着いて。自習室に行って。あの男が居て。あの男を睨んで。あの男が僕に視線を合わせることができない位置にある席を確保して。共通テストの数学の赤本を開いて。やって。できなくて。はぁ~って言って。

 

僕の自転車は白のスポーツサイクル。パパに買ってもらったんだ。買ってって言えばすぐに金を出す。便利な財布だよ。

 

便利といえば。僕の友達も便利な道具だ。

 

僕がちょっとあの男の悪口を言えば。すぐ乗っかかってくる。

 

作り話をしているのに。あの男は僕をストーキングしてくるとかさ。

 

それをすぐ信じるんだから。全く馬鹿なやつだよ。

 

その友達は。いつも眠そうな目をしている。僕が催眠術をかけているみたいに。

 

ま。そんな馬鹿な奴は。僕の大学受験には全く必要ない存在だから。僕が来年北海学園大学に合格するころには。縁切りだね。