誣告の伝兵衛。≪小説・新連載vol.18≫
おいおい、例の、ずーとこがずに押してやがる、自転車に乗って移動するキョリ、永遠のゼロ男がよ。
今日は、なんと、自習室に入ってきやがったぞ。
初めて入ってきやがった。
前回同様その野郎の友達に頼んで、おらの席から一席空けて、その友達に座らせてよ。
おらのことを、監視してやがるんだ。
その友達がよ、3分おきに背伸びをしておらの様子をうかがってやがるんだ。
自習室に限らずよ、図書館のなかで背伸びをするってのは、こんなにも頭が悪い行為が他にあるのかい?
自転車で立ちこぎをするみたいなもんだよ。
恥ずかしい行為だな。
馬鹿だよなぁ。
本当に馬鹿な光景だ。
そしたらよ、おらの帰りを待ち受けてやがるぞ。
シルバーのバンタイプ(525)でな。
その友達の車だな。
その野郎が助手席で、仲良く二人で、バックミラーで、おらを見てやがる。
馬鹿な光景だな。
今日は、おらを尾行するために、自転車で来なかったんだな。
さっそく、警察に通報してやったからな。
ざまぁみろい。
おそらく、喫茶店の関係者だな。
おらの感はすごいんだぞ。
そういや。
今日、廊下で、女の司書さん二人が、何がそんなに面白いのか知らねぇけど、キンキラ声で高笑いしてやがったな。
どうせ、誰かを馬鹿にして笑ってやがるんだろ。