僕は星矢。≪ヴぉる8≫(新作小説)

僕は星矢。

 

8月までに予定通り。学校指定のシグマベストを。ルーズリーズに写し終えた。

 

よし。9月からは。数学の共通テストの過去問だ。

 

教学社とかいうなんだかわかんないけど。でも有名そうな出版社から出ている赤本をゲットしているんだ。ママに買ってて言えば買ってくれた。ちょろいってばよ。

 

でも。実際に時間を図ってやってみたら。はぁ~。

 

全然できないよ。どうして?

 

だから。僕は図書館のすぐ近くにある衛星予備校に通うことにした。僕は切り替えが早いんだ。頭がいいからね。

 

共通テスト試験の数学対策の講座なんだ。えっへん。

 

これで大丈夫なんだよ。うん。

 

予備校代?

 

そんなものは。パパに言えばすぐに出してくれるよ。僕がちょっとお願いすれば簡単に出すんだから。

 

 

 

僕は星矢。≪ヴぉる7≫(新作小説)

僕は星矢。

 

僕は北海学園大学の経済学部に行くんだ。

 

10月にはオープンキャンパスがある。

 

僕は頑張るんだ。

 

でも。あの男が気になる。

 

何なんだ。この気持ちは。

 

よし。俺の友達を使ってあの男の隣の席に座らせて様子をうかがうとしよう。

 

僕は友達を使うのが上手い。僕の友達は僕がちょっと弱みを見せて相談すればすぐ僕の言うとおりに行動するんだ。ちょろいってばよ。

僕は星矢。≪ヴぉる6≫(新作小説)

朝から晩までそいつを観察してみた。

 

そしたら驚いた。

 

友達が言うように。ほんとにず~と勉強している。

 

どうなってんの?

 

でも同時に。脳天を撃ち抜かれた感覚。がした。

 

そうか。僕に欠如していたのは勉強をするということだったんだ。

 

だから僕は。進学校でもおバカ校でもない。

全くもって。ちゅ~と半端な学力レベルの高校を。たいして行きたくもないのに。まるで真綿で首を絞められているような感覚で。でもおバカ校を心からバカにしながら。でもでも。進学校には羨望のまなざしを向けながら。でもでもでも。親に対して劣等感を微塵もないかのように演技をしながら。行かざるを得ない形で。受験して合格したんだ。

 

もちろん。入ってみればいい高校なのは間違いない。

 

でも。なんで。僕の高校から数百メートル離れた先にある。進学校の東滝高校ではなく。ワンランクダウンの西滝高校に通っているんだ。僕は?

 

此畜生。

 

こんちくしょ~~。

 

そう僕は心の中で叫んだ。

 

そして。僕は決意した。

 

あいつに触発されたことは胸糞悪いけど。センター試験を受けるんだ。そして。北海学園大学に入るんだ。

 

そう。これが。僕とあの男との出会い。

 

僕にとっての理想の男根との出会い。。

僕は星矢。≪ヴぉるⅤ≫

僕は星矢。

 

この夏を。図書館での数学の勉強に捧げることを決めたのは。

 

ある男の噂を聞いたから。

 

僕の友達の話では。その男は毎日図書館にいるという。

 

で。なんでもずーと勉強しているという。

 

それで。そいつをからかってやるぐらいの。そんな軽い気持ちで。

 

どんな奴か自分の目で確かめよう。そう思ったんだ。

僕は星矢。≪ヴぉるⅣ≫

僕は星矢。

 

僕はこの夏から図書館に通う。

 

学校の夏休みを数学のために捧ぐ。

 

数学と言っても。薄ぺっらい問題集。学校指定のシグマベストっていうんだ。

 

これをルーズリーズに丸写しする。

 

これがこの夏の目標。

 

どんなもんだい。えっへん。

 

図書館の開館時間から閉館時間まで。

 

昼飯も食わずに。

 

僕の集中力をなめんなよ。

 

 

 

 

僕は星矢。≪ヴぉるⅢ≫

僕は星矢。

 

ホモ星矢。

 

僕は普通の高校生。

 

西滝高校3年生。

 

令和2年入学の受験生。

 

僕は星矢。

 

ホモ星矢。

 

僕を「コロナ世代」という奴。

 

うるせいや

 

 

 

 

僕は星矢。≪ヴぉるⅡ≫

僕は星矢。

 

ホモ星矢。

 

ゲイではなくホモ星矢。

 

ゲイと言われるのはなんか嫌。

 

マジな感じがなんか嫌。

 

だから。ゲイという奴。うるせいや

 

椅子に座っている同級生の。男子を後ろから抱きしめて。その子の髪の匂いをクンクンする。そんな瞬間好きすぎる。

 

だから。僕はホモ星矢。